1. 地雷問題って?

地雷ってなに?

「地雷」ってなんでしょうか?日本にいるみなさんは、普段生活していて「地雷」という言葉を使ったり、聞いたりすることはあまりないと思います。日本には地雷は存在しないので、当然のことといえば当然です。しかし世界中にはまだたくさんの地雷が実際に存在しています。地雷とは地面の少し下や表面に置かれ、人や車が近づいたり、触れたりすることで爆発する兵器です。誰かが取り除くか、誰かが踏んで爆発するまで半永久的にそこに埋まり続けます。そのため、地雷が埋められている場所に近づくことはとても危険なため、その地域の復興、開発に大きな障害となっています。
 戦争が終わった今でも人々を苦しめている地雷には大きく分けて2種類の地雷があります。人を対象とした「対人地雷」と主に戦車を対象とした「対戦車地雷」です。

「対人地雷」と「対戦車地雷」ってなに?

2種類の地雷について、もう少し詳しく説明します。

「対人地雷」は、人を傷つけたり殺したりすることを目的とした小型の爆弾のことを指します。そのため火薬の量も少なく、5キログラム程度のわずかな重量で爆発するようになっています。それはつまり、小さな子供たちが踏んでも爆発し、子供たちを傷つけてしまう恐れがあるということです。素材には金属以外にもプラスチックや木材などが用いられているため、1つ100円から1000円程度で安く作ることができてしまいます。「対人地雷」は「悪魔の兵器」とも言われており、踏むと爆発するものや地雷から伸びたワイヤーにつまずくと爆発するもの、爆発すると小さな金属ボールなどが飛び散るものなど「対人地雷」の中にも様々な種類があります。世界には約360種類もの「対人地雷」が存在しているそうです。

一方、「対戦車地雷」とは5キログラム以上の火薬を含み、戦車を壊すことを目的とした大型の爆弾のことを指します。通常130キログラム以上の重量をかけなければ爆発しないようになっているので、人の体重程度の重さでは、爆発しません。しかし、この「対戦車地雷」のそばにわずかな重量で爆発する「対人地雷」を埋め、爆発を誘発させようとする使い方もされていたそうです。

地雷ってどうやって見つけるの?

地雷除去のために用いられるのが、地雷探知機です。地雷探知機は、地面にそっとかざすことで対人地雷に付いている小さな金属を探し当てる道具です。この道具を使って、地雷を見つけるのですが、金属なら地雷以外の小さな釘や弾丸の破片でも反応してしまうため、少しずつしか、土地が安全であるかどうかを確認することができません。地雷除去のための作業はとても危険で根気が必要であり、大変長い時間がかかってしまう作業です。

地雷問題にどんな人が取り組んでいるの?

このように、無差別に人を傷つけてしまう恐れのある地雷が世界中に埋まったままだという現状を受けて、地雷問題に取り組む団体やアーティストがいます。著名なものをいくつか、紹介させていただきます。まず、「NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)」という団体についてです。この団体はカンボジア政府機関のカンボジア地雷対策センターと共に、住民による地雷除去活動を進めています。IMCCDは地雷を除去することだけでなく、自立可能な地域の復興を支援するなど、地雷除去の先のケアにまで取り組んでおり、理想的な活動だと感じています。

次にアーティストについてです。『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲などで有名な坂本龍一さんは、Mr.Childrenのボーカリストとしても有名な桜井和寿さんやその他大勢世界中のアーティストと「N.M.L.(No More Landmine)」というチームを結成し、2001年に地雷除去活動を支援するためのチャリティーソング『ZERO LANDMINE』を発表し、このCDの売上収益は全額寄付され、地雷除去の費用として使われたそうです。

ほかにも、『ハナミズキ』で有名な一青窈さんは、実際にカンボジアの地雷原を訪れた際の体験をもとに『白昼夢』という楽曲を発表しており、地雷問題の啓発活動を行なっていたりします。

ここで取り上げた方々のほかにも、地雷問題に取り組んでいる団体、著名人がたくさんいます。しかし、それでもまだ、地雷問題が「解決」されるにはほど遠いという状況です。

地雷ってどうして恐いの?

対人地雷は、「無差別に」人を傷つける性質を持っているので、恐いのです。対人地雷は、敵を決めて傷つける銃や他の爆弾とは違って、敵を区別せずに、大人や子供、男性、女性の区別もなく、踏んだ人なら誰でも傷つけてしまいます。地雷が埋められて、何十年も経った今、地雷を埋めた人たちが狙っていない全く関係のない人たちが被害者となるケースがほとんどです。

いつどこで誰が何のために、地雷を作ったの?

地中に仕込んだ爆薬で敵を攻撃するタイプの地雷が初めて登場したのは、19世紀のアメリカ南北戦争の時代と言われていますが、私たちのイメージに近い地雷が登場したのは、第一次世界大戦以降だと言われています。これはドイツ軍が敵の戦車の動きを止めるために使ったそうです。これが現在の「対戦車地雷」の原型です。

次に第二次次世界大戦の時に「対人地雷」が登場しました。「殺す」のではなく「傷つける」のを目的とした「殺さない地雷」は旧ソ連が発明しました。当初は、旧ソ連、アメリカ、イタリアが主要地雷製造・輸出国で、後に中国やシンガポールなど、様々な国が地雷製造に加わりました。つまり、戦争のために現在の欧米先進諸国が使い始めたのです。

どうして”タイ”に地雷があるの?

地雷と言えば、「あ、カンボジアは地雷多いよね。」という反応をしてくださる方々がいます。しかし、実はカンボジアのお隣の国、タイにも数多くの地雷が存在しています。大きな戦争のなかったタイになぜ地雷が多くあるのでしょうか。実は、タイとミャンマーの国境地域にはミャンマー軍と少数民族のゲリラの戦闘のため、タイとカンボジアの国境地域は1975年にクメールルージュによるカンボジア政権が樹立して以来のカンボジア内戦のため、地雷が埋められたと言われています。

オタワ条約ってなに?

1990年代初頭から対人地雷問題に関する国際的な関心が高まって、オタワ条約という国際的なルールが作られました。オタワ条約とは、1997年にカナダのオタワで批准された条約です。正式には「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」と言います。対人地雷の使用や貯蔵、生産、移譲を全面的に禁止するだけでなく、各国が所持している地雷の廃棄やすでに埋められてしまっている地雷の除去など義務を設けたり、地雷除去、犠牲者支援についての国際協力・援助等を規定したりしています。

2011年1月の時点で、156の国々が調印・批准しています。2009年にオバマ米大統領はこの条約に参加することを求められましたが、周囲の反対を受けて、未だに調印には至っていないようです。

参考資料一覧